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院長コラム
2017/07/14
【コラム】加計学園の問題に関して

 獣医学部新設に関する報道が延々と続いています。

 当初は私はあまり興味がありませんでしたし、政府の手続きにも問題はないのだろうと思っていました。しかしながらその後に、『獣医学部を全国に作る』、とか、『獣医師会は抵抗勢力だ』、とか、『小動物診療の獣医師は儲けすぎだから獣医師の数を増やして価格破壊を起こすべきだ』、とかいう首相や官房長官や地方創生大臣の発言が出てきまして、さすがにこのような一方的な発言には憤りを感じているところであります。

 特に、最後の地方創生大臣の発言ですが、獣医師の年収に関して事実誤認をしているのか、わかっていながら印象操作をしているのか、おそらく後者でしょうが、非常に無責任で失礼な発言だと思います。

 小動物診療はたいして儲かりません。高い診療費をとって儲かっているように思われるのでしょうが、人件費、設備費、薬品代などかなり経費もかかります。小さな病院でも百万円以上の機械をいくつも導入し続けないとまともな診療ができないです。
 給与については、雇われ獣医師は一般的に薄給で労働時間も長いです。雇われ獣医師がいない場合は院長が休日もなく長時間働いています。時間外に診察することもありますし、入院症例がいれば夜の間も診ていたりします。それで正当な対価を得ているかというとそうでもありません。飼い主さんに対してあまり高く請求できないですし。儲けすぎどころかブラックなのが当たり前の業界ですので、この仕事が好きじゃないと続けていけません。辞めて転職する人もたくさんいます。

 獣医師会は抵抗勢力扱いされており、既得権益を守ることのみに執着しているかのような印象操作も行われているようですが、獣医師の総数が足りている以上どんどん増やせと無責任に言えるわけがなく、反対するに決まっています。
 地方の公務員獣医師や大動物獣医師はたしかに不足しているのでしょうが、獣医学部に入る人は小動物獣医師を目指している場合がほとんどですので、途中でブラックだと気付いてもそのまま小動物臨床に進むのだろうと思います。不安定な職業ですし、金儲けしたいから小動物獣医師になるという人はおそらくほとんどいないでしょう。
 獣医学部の倍率が高いことも問題にされていましたが、何校も併願するので実際はもっと低いですし、倍率が高いことと獣医師の需要は無関係です。子供に人気がある職業というだけであり、また、人気がある獣医学部を作れば定員割れもせず大学が儲かるというだけの話です。

 獣医師を悪者にしている政府の姿勢に腹が立ちましたので書いてみました。安倍内閣は個人的に支持していたのですが、残念であります。

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