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院長コラム
2017/02/22
【コラム】歯の病気について

 歯の病気に関しては、気にはなるけど治療は躊躇するという方が多いようです。他の用件で診察に来られた時でも異状があれば一応指摘しておりますが、治療を希望される方は少ないです。

 おそらく一般的な認識としては、
1)歯石と口臭は気になるが、直接命には関わらなさそうだし食べてはいるのだから大丈夫だろう
2)麻酔をかけたくない
3)歯を抜きたくない
4)お金をかけたくない
 というものがあるだろうと思われます。

1)について
 動物も食べなければ生きていけませんので、よほどの激痛が生じるまではなんとか食べはします。涎が出ていたり、変な噛み方をしていたり、噛まずに飲み込んでいたりするようであればかなり痛い状態だと思ったほうがいいです。痛いのはかわいそうですよね。
 口臭はあるのが当たり前というわけではありません。口臭があればほぼ間違いなく歯周病が存在します。
 歯周病を放置すると痛みや違和感が続くだけでなく、顎の骨が溶けてきて骨折しやすくなったり、歯周病菌が全身に回って他臓器へ悪影響を及ぼしたりします。心臓病や腎臓病になる確率も上がります。口の中だけでなく全身の健康にも関わってくるというところに注意が必要です。

2)について
 麻酔をかけたくないという気持ちはよくわかります。しかし、歯の処置には全身麻酔が必須です。無麻酔の歯石除去は効果が小さく危険なため行ってはいけません(詳しくは別記事に書きました)。
 麻酔はほぼ安全ではありますが、必ず絶対ではないと説明します。ただ、危険性が高いという意味合いではありません。ご不安になるのはわかるのですが、残念ながら絶対に安全な麻酔は存在しませんのでそのようにしか説明できません。
 麻酔をかけると寿命が縮むとか高確率で死亡するとか思っている方もいらっしゃるようですが、そういうことはありません。正確な数字はわかりませんが、死亡率は1%よりは遥かに低いと思われます。リスクが特に高い動物(全身状態が悪い、心臓が悪い、腎臓が悪いなど)においては話はまた別で、その場合は治療のメリットと麻酔のリスクを比べてやるかやらないかを判断します。
 麻酔は必要がなければかけないほうがいいのは当たり前なのですが、人と違って麻酔をかけないと歯の治療ができないわけですから、その条件下で最善策を考えなければいけません。麻酔のリスクと歯周病を放置するリスクを天秤にかけると、多くの場合で治療したほうがいいという判断になります。

3)について
 歯を抜きたくないと言われることは多いです。これも気持ちはわかります。ただ、獣医師も歯を抜きたくて抜いているわけではありません。
 率直に言って歯を抜く理由は手遅れで抜くしかないからです。歯周炎が進行した歯を残してもその後さらにひどいことになっていきますし、悪い歯が残っていても苦痛が持続するだけです。獣医師としては抜くのが大変な上に文句を言われるのでやりたくはないのですが、それでは動物のためになりませんので、必要があればしかたなく抜いています。抜きたくないという方は、日々のデンタルケアおよび早めの処置を行うようにしてください。
 歯がなくなって食べられるのか、と心配される方が多いですが、食べることは可能です。むしろ痛い歯はなくなったほうがよく食べるようになります。
 歯はあってもなくてもどうでもいいというわけではなく、ボロボロの歯なら存在しないほうがマシだということです。歯があったほうがいいのは当たり前であり、そのためには繰り返しになりますが日々のケアと早めの処置が必要となります。
 ちなみに、歯科専門病院なら歯を抜かずに治療できると思われている方もいらっしゃいましたが、そういうことはなくて、むしろ妥協しない分一般の病院よりも容赦なく抜くことになると思います。

4)について
 全身麻酔をかけての処置になりますので、費用はかかります。どの程度の歯周病なのか、何本抜歯するのか、歯肉を縫合するのかなどによって価格は変わってきます。処置内容は病院しだいでピンキリですので、安さだけで選ぶのはやめたほうがいいかと思います。無麻酔の処置もだめです。
 当院では、血液検査を行って問題がなければ麻酔をかけて処置を行っています。血液検査も含めたおおよその費用は、軽度の歯周病で抜歯の必要がない場合で2~2万5000円程度、重度の歯周病で抜歯をする場合で3~5万円程度となります。
 
 ここまで書いてきましたが、当院は江戸川区平井という場所にある弱小病院ですので、重度の歯周病があっても治療しない飼い主さんが多いというのが現実であります。あまりハードルを上げずに診療しておりますが、歯槽膿漏で腫れているとか同じ部屋にいるだけで口臭が感じられるとか、少なくともそのようなレベルであればケチらずに治療してあげてほしいと思うところであります。もちろんもっと早い段階で治療したほうがいいですし、日々のケアも行っていただきたいです。もし興味を持たれた方がいらっしゃいましたら一度診察にいらしてみてください。

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