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犬の歯周病

 歯周病とは、歯を支える歯肉や歯槽骨などが炎症により破壊される病気です。一般的に犬の歯は歳とともに汚れていき、歯周病にもなりやすくなります。中年齢以上になると、程度は様々ですがかなりの割合で歯周病が認められるようになります。

 症状は口臭、よだれ、食べる時の痛み、歯肉からの出血、歯のぐらつきなどです。元気がなくなったり食欲が低下したりすることもあります。はっきりとした症状がみられない場合もありますが、それでも犬自身はかなりの苦痛を感じているものと考えられます。

 歯周病が進行すると、歯だけではなくその他のトラブルも生じてきます。

 顎の骨は歯根の炎症によって溶かされて壊れていきます。特に下顎の骨が脆くなりやすく、骨折してしまうような場合もあります。
 上顎の犬歯において、口と鼻を隔てる骨が壊れて穴が開き、くしゃみや鼻水などの症状を引き起こす場合があります。これは口腔鼻腔瘻と呼ばれます。
 上顎の奥歯において、炎症が周囲に波及して眼の下が腫れたり、眼の下の皮膚に穴があいて排膿したりする場合があります。これは眼窩下膿瘍、外歯瘻などと呼ばれます。
 全身への影響として、口腔内の菌が血液中に移行して心臓・肝臓・腎臓などに障害を与える場合があります。

 上記のような状態にならないためには、初期段階で早めに治療していくことが重要です。治療としては歯石の除去、抜歯、不良組織の切除、歯肉の縫合などを行います。初期段階であれば歯を抜かずに残せますが、ボロボロになってしまった歯については残しておくよりも抜いたほうがいいと考えられます。歯を残すと歯根の炎症も残ったままとなり、痛みが続き、骨折や排膿などのリスクも残ります。

 処置を行うためには全身麻酔が必要となります。麻酔のリスクは個々の状態によって様々です。高齢であったり心臓が悪かったりする場合もありますし、処置内容によってはかなりの出血が生じる場合もあります。麻酔をかけての処置が可能かどうかは事前の診察や検査によって総合的に判断します。当院では鎮痛・点滴などにより少しでも安全に処置が行えるよう配慮しております。

 歯周病においては、治療だけではなく予防も重要となります。麻酔をかけて治療しても、その後何もしないと1~数年でまた同じような状態に戻ってしまいます。 歯のブラッシングがベストですが、できなかったり続かなかったりする方が多いというのも理解しております。ブラッシングをあきらめて何もしないよりは、できる範囲で他の方法を試してみるのもいいだろうと思います。

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