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猫エイズウイルス感染症

 猫エイズウイルスは免疫不全や腫瘍などを引き起こすウイルスです。人のエイズウイルスに似ていますが別種であり、人や犬に移ることはありません。

 このウイルスに感染すると、最初に発熱やリンパ節の腫れが生じ、しばらくすると長い潜伏期に入ります。潜伏期の後に口内炎、免疫不全、貧血、腫瘍などの疾患を発症します。潜伏期間は数年~十年以上と様々です。

 感染経路としては、ウイルス陽性猫に噛まれて移る場合が最も多いです。母猫が陽性である場合は移る可能性がありますが、移らないこともあります。食器の共用や舐めあうことによる感染は起こりにくいと考えられています。一度感染してしまうとその後ウイルスがいなくなることはありません。

 感染しているかどうかは血液検査によって調べます。ウイルス自体ではなくウイルスに対する抗体があるかどうかを検出する検査ですが、感染してから検出できるまでに4~8週間程度かかります。また、ウイルス陽性の母猫から産まれた仔猫では、ウイルス自体が移っていなくても母猫からの移行抗体が存在するため、それが検出されて偽陽性となることがあります。その場合は間をあけて再検査をすると陰性になります。移行抗体が消失する6ヶ月齢以降の再検査でも陽性の場合はウイルスに感染していると考えられます。

 治療は発症したそれぞれの疾患に応じて抗菌剤、ステロイド、抗癌剤の投与や歯科処置などが行われます。潜伏期のうちに行う治療はありませんが、ストレスを減らすことにより発症しにくくなるといわれていますので、生活環境や栄養状態に気を付けることが望ましいです。

 このウイルスは直接接触により感染しますが、ウイルス陽性猫と長期間同居していて移らないこともよくあります。先住猫がいて新たに屋外で産まれた猫を飼う場合は、隔離して8週間後に検査をしてから一緒にするのが理想的ですが、現実的にできるかどうかという問題があります。空気感染はしないため、室内での単頭飼育の場合には移ることはありませんが、屋外に出ている猫であれば他の猫とのけんかにより感染する可能性があります。猫エイズのワクチンは一時期使用可能でしたが、現在(2012年9月)は販売中止となっており、使用できません。

 猫エイズウイルスは猫白血病ウイルスに類似しています。感染経路、引き起こす病気などに共通点が多いですが、相違点もあります。基本的には猫エイズウイルスのほうが発症が遅く、長く生きることができます。

 もし猫エイズウイルスに感染していることがわかってもあまり悲観しすぎないことが大事です。いつ発症するかはわかりませんが、高齢になっても発症しないこともあります。他の猫との同居は微妙なところですが、けんかが起きるような環境でなければ移りにくいため、相性が悪くないようでしたら多頭飼いも可だと思われます。ただ、移る可能性がないわけではなく、またストレスがかかるということもあるかもしれません。

 猫では白血病とエイズの二つのウイルス疾患が多くみられ、命にも関わるため、注意が必要です。屋外にいた猫で検査をしたことがない場合は一度検査しておくのがよいでしょう。また、ウイルス陰性の猫は感染防止のために、陽性の猫はストレス回避と感染拡大防止のために室内で飼うことが望ましいと言えます。猫エイズに関して何かありましたら動物病院にご相談ください。

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