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症例紹介
2016/05/05
症例:犬の直腸脱

 11歳のダックスフントです。大腸の炎症性ポリープで内科療法を行っていましたが、直腸脱を続発しました。

 脱出した腸を手で押し戻して一時的に肛門を縫合しましたが、翌日に糸が外れて再脱出しました。押し戻してもすぐに出てきますし、腸の色も悪かったため、緊急で手術を行うことにしました。

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 一般的な直腸脱であれば脱出した部分を切除して縫合する手術が行われます。ただ、今回は直腸~結腸に炎症性ポリープがあり、脱出している部分にも大きなポリープがありましたので、そこで切断して縫合するのは困難でした。そのため、肛門から直腸を引き抜いてきて切除する術式(プルスルー法)を行うことにしました。この方法であれば同時にポリープも切除でき、うまくいけば完治が期待できます。

 手術中の触診で、ポリープはかなり奥まで存在していることがわかりました。取りきろうと思って限界以上に切除すると縫合部に張力がかかって離開するリスクが高くなります。また、ポリープが存在している部位で縫合しても正常に癒合せず離開するリスクが高くなります。ということで、限界近くまで引き抜いてから切断して縫合しましたが、なんとか無事に癒合しました。

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 術後は血便や下痢などの症状が改善したため投薬を中止しましたが、再発する可能性もあり、その場合はまた投薬を再開することになります。

 大腸の炎症性ポリープは主にダックスフントでみられる病気ですが、通常はまず内科療法を行います。良化しなければ今回のように切除を行う場合もあります。また、直腸脱とは、腸の炎症や腫瘍などの影響で排便時の力みが激しくなり、腸が肛門の外に出てきてしまう病態です。原因疾患の治療によって落ち着けばいいのですが、今回のように重度の場合には手術が必要になることもあります。

 本症例はもともと二次病院で内視鏡により炎症性ポリープと診断され、内科療法を行っていました。しかし、内科療法で良化がみられず、直腸脱も続発しました。二次病院からは、ポリープがかなり奥まで存在しているので手術はリスクが高すぎると言われていたのですが、今回のような場合はリスクを負って手術せざるを得ません。結果的にうまくいってよかったです。

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