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症例紹介
2016/01/03
症例:犬の胃腸切開

 8歳のブルドッグです。急に吐くようになって元気や食欲もなくなった、とのことで来院されました。飼い主さんは異物を誤飲した可能性があると仰っていましたので、まずはX線検査を行いました。

 X線では、胃内にアーチ状の異物が認められました。

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 血液検査では大きな異常はなく、胃内異物が嘔吐の原因である可能性が高いと考えられました。内視鏡または手術で摘出することにしました。

 全身麻酔をかけ、まず内視鏡を行いました。胃内の異物は確認できましたが、胃の出口から十二指腸に入り込んでいたため摘出困難と判断し、開腹手術に進みました。

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 胃を切開したところ、やはり異物は胃の出口に嵌まりこんでいました。引っ張り出して摘出しました。

 また、小腸内にも閉塞が疑われる部位がありました。小腸も切開して異物を摘出しました。

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 胃内異物はプラスチックサンダルの一部、ビニール、ワサビの蓋でした。

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 腸内異物はビニールと丸まったゴムひもでした。

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 術後は順調に回復し、4日間の入院後に退院しました。

 今回は胃と小腸に異物が存在し、嘔吐の直接の原因は胃の出口の閉塞によるものと考えられました。小腸内の異物は時間が経てば流れる可能性もあったとは思いますが、流れないと大変なことになりますので、開腹したからには摘出するのが妥当かと思います。異物は複数箇所に存在する場合が多々ありますので、手術の際は胃から大腸まで入念に確認することが必要となります。

 誤飲した日時ははっきりしませんでした。異物が胃の中にとどまっていればあまり症状は出ませんが、今回のように十二指腸方向に流れていく途中で詰まってしまうと激しい症状が出ます。いつ流れるかは運しだいで、数ヶ月以上胃の中にとどまっている場合もあります。ですので、大きな異物を誤飲したかもしれないという場合は、無症状でも動物病院を受診されたほうがいいでしょう。

 高齢のブルドッグの麻酔に関しては、やはりリスクはあります。麻酔が覚めた後が最も危険なのですが、30分ぐらいは口を開けて舌を引っ張り出した状態で維持していました。事故を防ぐという点に関しては、スタッフの数よりも担当獣医師の経験が重要かと思います。

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