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症例紹介
2014/11/19
症例:猫の紐状異物

 猫の紐状異物の症例です。

 試験開腹をしたところ、小腸がアコーディオン上にたぐりよせられていました。

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 小腸~大腸の移行部で腸を切開すると、絨毯の切れ端のような異物があり、そこから繋がっている細い糸状のものが小腸の方向へと伸びていっていました。糸を無理して引っ張ると腸が裂けてしまいますので、引き出せる範囲で切断して摘出し、腸を縫合し、場所を変えてまた腸を切開して糸を切断して摘出する、という方法を繰り返していきます。

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 小腸の数ヶ所を切開して摘出しましたが、糸はまだ頭側に続いていたため、次に胃も切開しました。胃内を確認したところ、糸は胃からさらに頭側のほうへ伸びていっていました。胃の頭側は食道ですが、食道を切開するのは簡単ではありませんので、次に口の中を確認しました。

 口の中をよく見ると、白い糸が輪っかになって舌の根元にめり込むように引っ掛かっていました。鉗子で掴んでいるのが取り外した糸です。

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 その後、胃内の糸を引っ張っていくと、そのまま全ての糸を摘出することができました。

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 まとめますと、おそらく絨毯がほつれた糸状の異物を誤飲し、それが舌の根元に引っ掛かり、そこから食道→胃→小腸→大腸へとずっと糸が繋がった状態で存在していたということになります。当然胃腸はガチガチに引き寄せられて動けないので、食べることもできず、吐くこともできないという状態であったと思います。想像するだけで痛いです。

 口の中は診察中に確認はしておりますが、舌の根元に引っ掛かっていたため発見できませんでした。手術中に見た時もなかなかわかりませんでしたので、残念ながら事前に確認するのは困難であったと思います。

 本症例では幸いにして腸は破れておらず、壊死もしていませんでした。術後は数日で元気になりました。その後は誤飲が起きないように家の環境を整備してもらいました。反省する点は多々ありますが、助けることができてよかったです。

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