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犬猫の特発性てんかん

 てんかんとは、てんかん発作を引き起こす脳の病気のことです。てんかん発作が症状の名前で、てんかんが病気の名前となります。

 てんかん発作にはいろいろな種類があります。意識がなくなって横倒しになり痙攣する発作(全般発作)が一般的ですが、意識はあって体の一部分だけが痙攣するような発作(焦点発作)もあります。ふだんはふつうの意識状態ですが、突然発作が起き、おさまるとまたふつうの状態に戻ります。発作が起きる頻度は様々です。毎日だったり、数ヶ月に1回だったり、特定の状況下(季節の変わり目、車に乗った時など)だけだったりすることもあります。

 てんかん発作の原因についてですが、脳炎や脳腫瘍などの病変があってそれによる症状の一環として発作が起きる場合と、そのような明らかな病変は存在しないけれども症状として発作だけが起きる場合の二通りに分けられます。前者は症候性てんかん、後者は特発性てんかんと呼ばれます。特発性は原因不明という意味です。てんかん発作の症状があり、MRI等の検査ではっきりわかる異常がない場合に特発性てんかんという診断になります。

 特発性てんかんには遺伝的な要因もあるようです。症状は基本的にてんかん発作だけであり、他の神経症状(麻痺、盲目など)は引き起こしません。発作に加えて他の神経症状もある場合は症候性てんかんが疑われます。

 てんかん発作を起こした動物の診察では、身体検査や神経学的検査を行って発作以外の神経異常がないかどうかを確認します。また、低血糖や低カルシウム血症などでもてんかん発作と似たような症状が現れるため、それらの除外のために血液検査を行います。血液検査に異常がなければてんかんの可能性が高くなり、その中で発作以外の神経異常がありそうなら症候性てんかん、なさそうなら特発性てんかんが疑われます。この先はMRI検査ですが、限られた施設でしか行えず麻酔も必要であるという理由から、行うかどうかは状況しだいです。年齢や状況などから特発性てんかんが強く疑われる場合は検査をせずに様子をみるか、あるいは検査をせずに治療を始めることもあるかと思います。

 症候性てんかんの症状、治療、予後はそれぞれの病気により異なりますので、一概には言えません。以下は特発性てんかんについての記述となります。

 特発性てんかんの症状は突然起きる発作です。家で発作が起きると驚かれると思いますが、数十秒~数分の発作が数ヶ月に一回ぐらいの頻度で起きるような場合は大きな問題とはなりません。ただ、発作が長時間続いたり短くても繰り返し起きたりする場合は脳に後遺症が残ったり亡くなってしまったりすることもあります。一般的には月に一回以上発作が起きる場合には治療を開始したほうがいいと考えられています。発作が10分以上止まらない、一日に何回も起きる、何日も続いて起きるといった場合には緊急で治療を開始する必要があります。

 家で発作が起きた場合は、その場でできることはありません。慌てて抱いたりすると無意識に噛まれたりすることもあるため、周囲の物にぶつかったり落ちたりしないように気を付けながら落ち着いて状況を観察し、おさまってから動物病院に連絡してください。数分待っても止まらなかったり続いて起きるような場合には緊急で動物病院を受診する必要があります。

 特発性てんかんの治療では、抗てんかん薬を飲ませて発作の頻度を減らしていきます。発作が続いて起きている場合は入院が必要になることもあります。薬は基本的に生涯飲ませ続ける必要があり、数種類の薬を併用する場合もあります。まれに薬を減らしていって休薬できることもありますが、急に止めると発作が悪化することもあるため、自己判断で薬を止めることは絶対にやらないようにしてください。

 特発性てんかんでは発作をうまく抑えられれば正常な動物と変わりなく生きていくことができます。発作を見るのはショックだと思いますが、見た目ほど怖がらなくても大丈夫です。ただ、止まらない場合や続けて起きる場合は命に関わることもありますので注意は必要です。何かありましたら動物病院にご相談ください。

猫が痙攣発作を起こした場合の対処法・治療法や原因となる病気【獣医師が解説】

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